TOHOシネマズの試写会で観てきました。
★ あらすじ
海沿いの街に暮らすルビーの一家。父と兄は漁師。女子高生のルビーも朝三時に起きて、父と兄と一緒に船に乗って漁に出ていた。父と兄、そして母親も聾唖者だ。一家でルビーだけが耳が聞こえるのだ。そのため、父や兄をサポートすべく、漁にも出ていたのだった。漁から戻って港で行われるセリの場では通訳もしている。
ルビーのことをからかう同級生も少なくない。中には「魚臭い」などと面と向かって言う子まで。友人のガーティだけはルビーの味方でいてくれているのだが。
そんなルビーはいつも一人で歌を歌っていた。漁に出ている時も、自分の部屋でも、そして秘密の場所(崖に囲まれた湖の湖畔)でも。もちろん、船には父も兄もいるし、家には母もいる。だが、彼女の歌声は彼らには届かない。
そんな彼女だったが、密かに想いを寄せるマイルズが合唱部入部を希望していると知り、自分も入部する。それが彼女の転機の始まりだった。
合唱部の顧問はかなりクセの強い先生だったが、彼はルビーの歌声を聞き、その才能を見抜く。そして、マイルズと共に次の発表会でデュエットを歌うことを指示した。さらには休日に個人教授することも約束してくれた。
自分の才能に気づいたルビーは、歌うことの楽しさを感じる。そして、マイルズとの距離も歌を通して少しずつ縮まっていくのだった。
だが、ルビーは大きな選択を迫られることになる。合唱部の顧問が音楽大学への進学を勧めてくれたのだ。しかし、ルビーには家族のための“通訳”としての役割があり、彼女なしでは家族は社会から孤立しかねない。家を離れることができないのだった。ルビーの心は揺れる。
★ キャスト&スタッフ
- 出演:Emilia Jones, Troy Kotsur, Daniel Durant, Marlee Mtlin, Eugenio Derbez, Ferdia Walsh-Peelo, John Fiore, Lonnie Farmer, Kevin Chapman, Amy Forsyth, others
- 監督:Sian Heder
- 脚本:Sian Heder
- 制作:Sarah Borch-Jacobsen, others
- 音楽:Marius De Vries
★ 感想
“逆境”を撥ね除け、自分の夢を叶える少女の物語。簡単に言っちゃうとそれだけになってしまうか。シンデレラ・ストーリー、アメリカン・ドリームのパターン。話の筋は代替予想通り。結末も然り。
ではあるものの、だからこそ安心して観られる作品だ。最近はやたらとストーリーを複雑にしたり、予測に反する行動ばかりする登場人物が出てくる作品が多いが、この作品は非常にオーソドックスな流れになっている。さらには主人公の周りには、家族をはじめ、コミカルな言動・行動の人物が一杯で、笑わせてくれる。
また、ミュージカルではないものの、主人公は歌が好き・うまいという設定なので、随所随所でその美声を聞かせてくれ、シーンを盛り上げてくれている。
ただ、サンダンス映画祭で各賞を受賞し、アカデミー賞も云々と宣伝にはあるけど、そこまでの感動作だったかどうかは人に依りそうだ。聾唖者の一家を扱ったことが“ダイバーシティ”という点で目立ったのだろうか。
前宣伝で期待し過ぎてしまったかも知れない。
★ 公開情報
- 公開日:2022/01/21 (Fri)
- 主な上映館:TOHOシネマズ 日比谷、新宿バルト9、T・ジョイ PRINCE 品川など全国各館で上映
- 公式サイト:映画『Coda コーダ あいのうた』公式サイト
- 受賞記録
- 第94回アカデミー賞 作品賞、助演男優賞、脚色賞
- 2021年サンダンス映画祭 観客賞、審査員賞、監督賞、アンサンブルキャスト賞
コメント
映画館には何年も行っていないです。もっぱら家でアマゾンプライムやワウワウ見て終わってます。映画は大好きですけど。
やっと普通に観劇できるようになってきたのに、またぞろどうなることやらですね。
我が家はWowow, Huluです。