面白いなと思ったニュース記事の紹介です。
「哺乳類」とは
Wikipediaで「哺乳類」の項を見てみると
哺乳類(ほにゅうるい、英語: mammal, [ˈmæm(ə)l]、 学名:Mammalia)は、哺乳形類に属する脊椎動物の一群である。分類階級は普通綱に置かれ、哺乳綱(ほにゅうこう)とされる。
哺乳類 – Wikipedia
基本的に有性生殖を行い、現存する多くの種が胎生で、乳で子を育てるのが特徴である。
と記述されています。ここで注目するのが「乳で子を育てる」ことが哺乳類たる由縁であると言うこと。「哺乳」をする生き物という、名前の由来にもなっているのだと思います。
我々人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)も、犬や猫も、そして鯨やイルカも哺乳類。そう、鯨も海の中で子どもに授乳をしています。逆に、授乳をするから「鯨は魚類ではなく哺乳類なんだ」と再認識するかも知れません。
授乳する生き物は哺乳類以外にも
ところが、授乳をする生き物は哺乳類以外にも一杯いることが知られるようになっているそうです。例えば、鳩は乳腺が発達してタンパク質、脂肪、炭水化物、抗体が豊富なミルクのようなものを出すし、ミツバチのロイヤルゼリーも同様です。蜘蛛の仲間でも子どもにそのような形で栄養を与える種がいるそうです。
そうなると、「乳で子を育てる」==「哺乳類」とは言えない訳で、そもそも“哺乳”類という名前自体が「名が体を表していない」ことになってしまいます。もちろん、今さら呼び名は変えられないでしょうが。。。
授乳する両生類を初めて発見
で、本題。アイデンティティーを失いかけている我らが哺乳類ですが、ついに両生類にまで授乳する種がいるという発見が雑誌「nature」で報告されていました。
写真を見ると「両生類なの? ミミズにしか見えない」と思ってしまいましたが、Siphonops annulatus(アシナシイモリ)は脚がなく、目も退化しているけど、ちゃんと両生類なのだそうです。この見た目ですが、骨を有していているとのこと。とは言え、ミミズそっくりなだけあって、地中を這い回って生活しているそうです。進化の収斂なのでしょうが、見た目はホントにミミズですね。
で、彼らは卵を産んで子どもを増やすんですが、親が子を養い、体から分泌する脂質に富んだミルクのようなものを子に与えているのが観察された訳です。
これまでの常識が覆されることは珍しい話ではなく、新たな発見によってパラダイムシフトが起こるのが科学の健全な状態。生物の分類体系も然り、ということだ。
生物多様性は重要だと言われて久しいが、生物の生態はまだまだ知らないことだらけなわけで、単純に見た目やよく知られているからと言うだけで「守るべき種」を決めつけるのはそれこそ自然に背くことだと、この話を聞いて感じた。イルカが子育てをする姿を見て愛らしいと思うならば、アシナシイモリにも同様の愛情を注がねばいけないだろう。
なんか、そんなことを思ったニュースでした。
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