映画 「チャチャ」 :フレンチ・アートな世界感を伊藤万理華が踊る

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チャチャ 映画・演劇
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★ あらすじ

「人目を気にせず、好きなように生きる」を“実践”しているチャチャ(伊藤万理華)。デザインの才能は高く、デザイン会社の社長に気に入られている。だが、会社に出社してくる時も彼女のファッションは独特。同僚の女性社員からは色々と陰口を言われていた。でも、そんなことは全く気にしないのがチャチャだった。

ある日、チャチャが会社の入っている雑居ビルの屋上で休憩していると、同じビルの一階のレストランに勤める楽(らく:中川大志)がやってくる。楽も自由人。レストランオーナーから、休憩が長すぎると文句を言われてもどこ吹く風だ。そんな楽のことをチャチャは気になってきた。

あることをきっかけにチャチャは楽の住む部屋へ転がり込み、居着いてしまう。自由気ままな猫のように。楽は彼女に気があるのかないのかよくわからない。だけど、オムレツやらなんやら料理を作ってはチャチャに食べさせる。
しかし、楽には秘密があったのだ。その秘密が大きくなっていき、やがて思わぬ事件が起きる。

★ キャスト&スタッフ

  • 出演:伊藤万理華、中川大志、藤間爽子、塩野瑛久、ステファニー・アリアン、他
  • 監督:酒井麻衣
  • 脚本:酒井麻衣
  • 製作:伊藤貴宣、中西一雄、今野義雄、宇田川寧
  • スタイリスト:小泉美智子
  • 音楽:フジモトヨシタカ
  • 美術:安藤秀敏

★ 感想

“今どきの女の子”を通り越した、デザイン会社の同僚女子たちにも「何者?」と思われているチャチャ。なんともとらえどころのない存在でした。いや、その前にこの作品のストーリー自体もなんでこんな急にサイコスリラーになるの?と驚き、戸惑ってしまう展開。それでいてラストはあんなシーンとは。緩急と言うにはあまりにも急展開すぎます。でも、なぜか全体としてまとまっていて、「チャチャなんだからこんな感じもアリだね」と納得してしまう。可愛くて、きれいで、怖くて、ホッとする作品。ちょっと形容のしようがない。
「好きに生きる」チャチャ像は、現実の世界に閉塞感があって不自由さを感じることが多いことの表れなのだろうか。“今どき”の人々は、実は窮屈なことばかりで、自由な雰囲気に憧れを懐いていると言うことか。

映像も綺麗だった。花がところどころに出てくる。部屋の玄関の一輪挿しだったり、花束だったり、庭に咲く野の花だったり。黄色のタンポポがキーワードになっているが、さり気なく映る花が作品の雰囲気を優しいものにしていた。

雰囲気と言うだけだけど、見ていて「アメリ」をなんとなく思い出した。キュートな女の子のちょっとした冒険譚と言えなくもないストーリーだったが、「チャチャ」は可愛らしさとハラハラとを、その振り幅をもっと増幅した感じ。うまく説明できないけど、好きになっちゃう映画だということだ。きっと、「アメリ」の中のオドレイ・トトゥと同じ魅力を伊藤万理華に感じられたからだろう。
そんな彼女が舞台挨拶か何かで「アイドル時代からのファンには懐かしい姿が見られるかも」と語っていたが、まさにその通りだった。「まりっか17」や「まりかっと」のあの自由奔放な雰囲気、そして個人PVの「ナイフ」で見せた笑顔が画面いっぱいに広がっていた。歩道の端のブロックの上を歩く姿はステップを踏んでダンスをしているよう。懐かしさで涙が出そうだった。

そうそう、本編ではエンド・ソングとして流れるだけだったが、伊藤万理華が歌い踊る主題歌「おはようの唄」のミュージックビデオがYoutubeで公開されている。17歳の頃と変わらないキュートさに溢れている。

色々と書いたけど、感想がうまくまとまらない。粗筋についてもどうも書きようがない。もう観てもらうしかないでしょう、これは。

★ 公開情報

★ 原作本、他

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