★ あらすじ
知り合いに頼まれた絵画を届けにパリまで出掛けていった松重豊演じる井ノ頭五郎。フライトで機内食を食べ損ねてしまい、仕事の前に街のレストランに入り、オニオンスープとビーフ・ブルギニョン(ブルゴーニュ風ビーフシチュー)を早速、食す。飛び込んだその店は、依頼者:松尾千秋(杏)の行きつけで、すぐに落ち合うことができた。依頼の品を届け、それで仕事は完了と思いきや、千秋の祖父:松尾一郎(塩見三省)から新たな依頼をされてしまう。それは「子どもの頃に母が作ってくれた汁(いっちゃん汁)をもう一度飲みたい」というもの。手がかりは、千秋の祖父の故郷が長崎県五島列島だと言うことだけだった。
日本に帰り、早速、五島列島へと向かった井ノ頭五郎。そこで聞き込みを進めるが“いっちゃん汁”を知るものはない。だが、昔話に詳しい人が隣の島にいることが分かる。でも、隣の島へのフェリーは出航してしまっていた。何を思ったか井ノ頭五郎はスタンドアップパドルボード(サーフィンボードに立ち、オールで漕ぐ乗り物)を拝借してその島を目指し、海に漕ぎ出してしまった。だが、そこに嵐がやって来て井ノ頭五郎は波に呑まれてしまう。
気が付くとそこは無人の砂浜。なんとか生きて島に流れ着いたようだが、人の住む気配がない。そして、ここでも彼を突き動かしたのは「腹が減った」の食欲だったのだ。
★ キャスト&スタッフ
- 出演:松重豊、内田有紀、磯村勇斗、杏、オダギリジョー、塩見三省、村田雄浩、遠藤憲一、Yoo Jae-Myung
- 監督:松重豊
- 脚本:田口佳宏、松重豊
- 制作:浅野太、吉見健士
- 原作:久住昌之、谷口ジロー
- 主題歌:ザ・クロマニヨンズ「空腹と俺」
★ 感想
映画館は満席、やっぱり人気がある作品だ。私もドラマは第一作からずっと観ているし、年末のスペシャル版も毎年楽しみにしている。とにかく、美味しそうな料理が出てくるのがいい。いや、料理が本当に美味しいかどうかは分からないが、とにかく美味しそうに食べているのがいい。観ているこちらまで楽しくなってしまう。
ストーリーはかなりハチャメチャ。こんな都合良くは行かないだろう。でも、それが“お伽噺”のようで、ここまで振り切ってくれた方が何も考えずに観ることができた。内田有紀演じる志穂が暮らす島はまるで竜宮城だ。井ノ頭五郎が嵐でそこに流れ着いたというのがまさに夢物語だ。海の幸、山の幸で歓待してくれる辺りが浦島太郎を彷彿させる。
まあ、そもそも「子どもの頃に飲んだ汁を探してほしい」と頼まれる冒頭のシーンもかなり強引だが、それでもこのドラマが成り立ってしまうのだから、逆に不思議。ただ、ただ、美味しいものを食べるのが“目的”の話だから、それでいい訳だ。
連ドラの映画化ってお祭り感があるけど、この作品はまさにそれ。出演陣も多彩で、遠藤憲一の「孤高のグルメ」には笑ってしまった。空腹は最上のソースと言うけど、この映画も空腹な状態で観た方が余計に話に、いや、料理のシーンに引き込まれるでしょう。とにかく楽しかった。そしてお腹が減った!
★ 公開情報
- 公開日:2025/01/10
- 主な上映館:TOHOシネマズ 渋谷,TOHOシネマズ 六本木ヒルズ,新宿バルト9,その他全国で公開
- 公式サイト:『劇映画 孤独のグルメ』公式サイト
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