パスポートに関するニュースをちょこちょこ見かけます
COVID-19パンデミックの前はちょこちょこ海外に行くことも多かったのでパスポートの番号を覚えるくらいになっていました。が、パンデミック後は転職したり、円安だったりで仕事でもプライベートでも海外に行くことがなくなってしまいました。
そんな折り、最近見かけたのがこの記事。マイナンバー(カード)を使えば発行手続きが簡素化されるようになったそうで、良いですねこういうサービス。どうせなら自動車の免許証と同じようにパスポートもマイナンバーカードと一緒にしてくれたら便利で良いのにと思っちゃいます。
一方で、パスポートに関しては国は違うけれどもこんな記事も。ならず者国家(Rogue Sate)になってしまったトランプ政権下の米国ですが、ダイバーシティ尊重派も黙ってはいないということでしょうか。
私も性の多様性に関してはもっとオープンにして、偏見や差別をなくしていくべきだと思っています。
で、それはそれとして、そもそも何でパスポートに「男女」の別を記載しなければいけないのか、それ自体に疑問を感じたのです。
パスポートに関するルールってどうなっているの?
パスポートって、そもそもの目的は国際的な身分証明(書)であり、外国に入出国する際、そして日本に帰国して入国する際に必要なもの。その所持者がその人そのものであることを示す証書な訳です。であれば「その人」を特定する情報がそこになければならない。
調べてみたら国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation Organization)ってところが国際標準を定めているようです。そこで定めている“標準的”な項目は以下のもの。
- 種類(Type): 旅券の種類を示す記号(例:P=一般旅券)
- 発行国(Issuing country): パスポートを発行した国を示すコード(例:JPN=日本)
- 旅券番号(Passport No.): 各パスポートに固有の番号
- 氏名(Surname/Given name): 姓と名。通常はヘボン式ローマ字で記載されます。
- 国籍(Nationality): 国籍を示すコードまたは名称(例:JAPAN)
- 生年月日(Date of birth): 西暦で記載
- 性別(Sex): 性別を示す記号(例:M=男性、F=女性)
- 出生地(Place of birth): 出生地の国名と都市名など
- 発行年月日(Date of issue): パスポートが発行された年月日
- 有効期間満了日(Date of expiry): パスポートの有効期限
- 発行官庁(Authority): パスポートを発行した政府機関名
とは言え、その国ごとに多少の違いはあるようです。日本でも氏名のローマ字表記は必ずしも“ヘボン式”ではないですし。そしてかの米国では性別に対してM/Fだけではなく、Xも認められている(いた)そうです。
身分証明に「男女」の区別は必要か?
さて、個人を特定するのであれば現代に置いてはバイオメトリック情報として指紋や虹彩(瞳の模様)を登録する方法も採れるようになっているはず。実際、ICAOでもその標準は定めているようですが、未だにどの国も対応できていないとのこと。結局、入出国の際にチェックされるのは顔写真と所持者の顔を見比べるくらいでしょうから、本質的な意味で身分証明になっているのか怪しいものです。
そう考えると、身分証明書・パスポートにそもそも性別を記入する必要があるのか疑問が生じてきます。「男・女だけではない選択肢も」という要求よりも、項目そのものをなくせっていう訴えでもいいのかも。極論過ぎますかね。でも、どうせ顔写真とその人の顔を見比べる位しかしないのなら「性別欄に男とあれば短髪、女とあれば長髪じゃないと」などという先入観を持つよりも、性別に関係なくじっくりと写真と見比べる方がよっぽどいい気がします。
さらにさらに、自動車の免許証なんてそれこそ性別の項目は不要でしょう。自動車やバイクを運転するのに性別は関係ないし、(自分の)免許証を携帯していればそれだけでいいのだから。
脱線すると、「名前」だって同姓同名の人は一杯いるでしょうから、個人を特定するための“ID”としては不適格。ユニークなIDとなると、今はマイナンバーしかないんでしょうかね。出生届を出したらマイナンバーが付与されるようにしないと。
説得力のある議論ができなかったけど、少なくともパスポートに性別欄は不要でしょう。DXを進めるためにも、このような基本的なところから議論をしないといけないでしょう。
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